「イギリス人アナリスト日本の国宝を守る」デービット・アトキンソン

こんばんは。

さて気づけばもう2月も終わりですね。

「1月は行く、2月は逃げる、3月は去る」ともいいますが、あっという間に時間が経ってしまって。。。12月も「師走」っていうくらいだからずっと忙しいのか!笑 日本人はもう少し余裕を持った方がいいんかもしれませんね(^^;)

さて勝手に本の紹介No22です。

著者が気になって手に取った一冊。期待して読んだ分、もう少し客観的なデータや意見が欲しかったなぁと思う。
著者はイギリス人であり、金融アナリストとして活躍した経歴を持つ。現在は文化財修復を手掛ける会社の社長であり、茶道に詳しい人物である。本書の構成としては、著者の経験及び客観的なデータに基づいて日本の問題点を指摘し、改善点や自社の実例を紹介している。
本書全般を通して客観的なデータを用いるようにと書いているが、第4章の「おもてなし」の頁では、自分の経験のみを踏まえて、日本はおもてなしが不十分だと論じている。そのあたりのデータはないものだろうか?もう少し客観的に論じて欲しかった。また、「漆」の頁では、技術の継承の観点から中国産漆を国産漆に変えた話があるが、これも?って感じた(まず日本産がどのように品質的に優れているかが示されていない。中国産は安かろう悪かろうという先入観で話が進んでいる)。確かに自国の文化財を守る技術を継承することも重要であると思うが、著者は「輸入を増やすことも重要だ」と述べており、矛盾している。自分と関係あるものは保守OK、その他はグローバル社会で戦うことを推奨(というかそのためには日本が変わらなくてはいけないよって論調)するのはちょっとね( ;∀;)
個人的な話も多く、「ふーん」って感じあるが、章の最後に簡潔なまとめがあり、それはけっこう核心をついていると思う。日本を外から見た人の意見であり、参考になったり、気づかされたりする部分も多い。個人的に面白かったのは「GDPと人口の関係」かな。「若手の育成」「コンテンサスより客観性」「悪いものと比較しない」などの意見には共感できた。