「世界は宗教で動いている」橋爪大三郎

こんばんは。

熊本で地震が続いていますね。3月末まで住んでいた九州が被災してやりきれない思いです。南海トラフの発生リスクは時々報道されましたが、九州でこんな大きな地震が起こるとは思っていなかったので驚きです。しかし、九州で地震が起こる可能性は専門家には危険性が指摘されていたのですね。このことをどれだけの人が意識していただろうか??日本に住んでいる以上「どこでも地震にあう可能性はある」ということは頭でわかっていても、日常からリスクを考え、非常時に備えることは難しいことだと思う。

 

さて勝手に本の紹介No28です。

本屋で気になって手に取った一冊。世界の主要な宗教について簡潔にまとめられている。ただ、各宗教を紹介するだけでなく、それぞれの宗教間の繋がりについて書いてあり、興味深い。
【構成】
第1・2章はキリスト教、第3章イスラム教、第4章ヒンドゥー教、第5章儒教と仏教、第6章日本人と宗教(神道など)という構成になっている。特別講義の内容らしく、受講生との対話形式で書かれている。
【感想】
私自身は無宗教の人間なので、逆に「宗教」というものにとても興味がある。今の世界情勢は「経済(お金)」「宗教」で大きく動かされていると感じる。イスラム国等の報道を見るたびに人々を突き動かす「宗教」とは何なのかを知りたくなる。まぁ最終的には「自分とは何か?」という問いにたどり着くのかもしれないが…
イスラム教についても興味はあったが、本書ではあまり詳しくは書かれていないので本書で特に興味深かったのは第5章と第6章。中国に関する説明も地理学的な要素を含めて説得力があった。言われると当たり前だが、外敵の侵入が多かった中国は、宗教よりも政治(国の安定)を求める。これがヨーロッパや日本との大きな違いである。
日本人に関しての記述も面白かった。儒教の「過去の基準を大切にする」という考え方などは、今の日本人にもとても通じるものがあるように感じた。また、日本固有の神道と仏教との融合についてや、日蓮宗については今まで知らなかったことだったので読んで勉強になった。