「最後の職人」中原一歩

こんにちは。

さて早いもので2016年も半分終わっていまいましたね(^^;)本当に早い…

今年の最初に目標として「時間を大切にメリハリをつけて過ごす」ということを言っていたのですが、半年経ってそれをできているだろうか?いろいろと考えるところである。。。

され、本の紹介No35です!!

タイトルが気になって手に取った一冊。「てんぷら近藤」の店主近藤文夫を生き様を描いたノンフィクションである。高級な天ぷら専門店には行ったことはないが、本書を読んで、是非本物のてんぷらを食べてみたくなった。
【構成】
第1章では小説家池波正太郎との交流を中心に主人公の若かりし頃のことが書かれている。「山の上ホテル」で個性的な人たちに囲まれながら、料理人としての基礎を築いていき、苦労して独立を果たす。第2章では魚河岸(魚市場)での模様が書かれている。近藤の食材にかける情熱を垣間見えるだけでなく、東京近辺の魚事情がわかりとても面白い。第3章以降は野菜を中心に「江戸前てんぷら」に新しい食材を取り込むまでの話であり、それぞれの農作物の特徴を把握し、てんぷらにするまでの試行錯誤が繰り返されていることがわかる。
【感想】
職人近藤の料理(てんぷら)への飽くなき探求心と、お客様へ最高のものを出したいと思うプロ意識にはとても感銘を受けた。休みや寝る間を惜しんで料理の探求を続ける姿は「理想的だ」と思うが、自分自身に置き換えた時、そこまでできるのか疑問を感じた。そういう意味では、私は職人(プロ)向きではないのかもしれない。本当にこういう職人がいることを忘れずにいたいし、何かを極めるということは、覚悟と時間、労力を惜しんではいけないと改めて感じた。
また、魚市場の様子だけでなく、漁師や農家への取材からそれぞれの思いや状況を知ることができて素直に面白かった。それぞれのてんぷらがとても美味しそうで、食べてみたいという気持ちを強くする。玉蜀黍やさつまいものてんぷらが斬新で興味をそそる。