「地域再生の戦略‐『交通まちづくり』というアプローチ‐」宇都宮浄人

こんばんは。食欲の秋・スポーツの秋・読書の秋と言いますが、俺は「睡眠の秋」。夏の寝苦しさから解放されて最高です。笑 まぁ最初の3つの秋もボチボチ満喫してます。

さて、今週は勝手に本の紹介⑨です(^^)/

とある本に紹介されており興味を持ったので手に取った一冊。
街の中心部の衰退に対して、公共交通の利用により対策を行うとの論説である。著者はLRTを奨励しており、富山市の事例を中心に紹介されている。少しLRTに肩を入れ過ぎている気がするが、全国の交通事例も紹介されており勉強になる。本の流れてとしては「現状について」「2013年に成立した交通基本法について」「各地方の取り組み」「各国の取り組み」「公共交通が与える社会的影響と今後の課題」というストーリーで展開されている。
個人的には地方の中核都市はある程度公共交通が発展している印象がある。京都や福岡としった都市には地下鉄があり、バスが発達している。広島、松山、長崎といった都市には路面電車がある。しかし、さらに人口が少ない県の県庁所在地や、さらに小さい都市(人口10万人くらい)では、公共交通はバスくらいしかなく不便であり、車社会だと感じる。何より人口が10万人くらいの都市だと、街中の人が少なく、公共交通は黒字にはならないだろう。どの規模の都市をターゲットにするかによるが、建設費・維持管理費がかかる新線の建設は慎重に行われるべきである。
今後10年後、20年後には、道路の維持管理すらままならなくのではないのだろうか?公共交通のインフラについては、今後、行政の判断が重要になってくると思われる。道路も線路も本当に必要なものには投資を、不必要と判断したものは廃止を取捨選択する時代がくるはずだ。そういう意味では、著者が最後に述べている「住民が重い役割を担っている」という言葉はうなずける。